胆石症とは、胆道に石のような固まり(結石)を形成する病気です。

胆石の種類と成因

胆道の中で結石の発生する場所によって胆嚢結石、総胆管結石、肝内結石に分けられます。胆嚢結石が最も多く、80%を占めます。胆石は胆汁に含まれる成分が凝縮されて結晶化し固まったもので、コレステロール石と色素石に大別されますが、コレステロール石が80%を占めます。コレステロール石は肥満傾向の中高年女性に多く、食生活の欧米化や高齢化によって胆石症の人数は増えています。

症状

胆嚢結石が存在しても症状がないことが多いですが、胆管につながる管が詰まると、胆嚢の存在する右の肋骨の下やみぞおち、右肩などに痛みを生じます。脂っこい食事の後に起きやすいのが特徴です。胆汁うっ滞や炎症を伴うと、皮膚が黄色く(黄疸に)なったり、発熱がみられたりします。

診断

特徴的な症状によって画像検査を行い、診断されます。健診や他の病気の画像検査で、無症状で発見されることもあります。腹部超音波検査で最初に診断されることが多く、とくに胆嚢結石の診断には有効です。胆嚢以外の場所の結石など診断が難しい場合には、CT、磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などの検査が行われます。

治療                       

胆石症のうち腹痛などの症状がないものは、治療せず定期的に経過を観察します。胆嚢結石で症状がある場合には手術による治療が原則です。胆石だけを取り除いても再発することが多く、胆嚢ごと取り出します。以前は開腹手術が行われていましたが、最近は腹腔鏡下胆のう摘出術が第一選択です。ウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソ錠)には結石の溶解効果があり、大きさが15mm以下、石灰化がないコレステロール石、胆嚢の動きが正常な場合に適応となります。1年間内服を続けると30%ほど溶解に成功します。