ビタミンKには、K1(フィロキノン)とK2(メナキノン)が2種類あり、K2には何種類か存在し、4と7が代表です。ビタミンKは、一般的にはフィロキノン、メナキノン-4と7を総称する脂溶性ビタミンです。
働き
ビタミンK1は食品に含まれていますが、ビタミンK2 は体内の腸内細菌によっても合成されます。ビタミンKは脂質とともに腸管から体内に吸収され、リンパ管を経由して全身に運ばれていきます 。ビタミンKは、プロトロンビンなどの血液凝固因子が肝臓で生成されるときに、補酵素として働きます。カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用や動脈の石灰化を抑制する作用もあります
不足による病気
腸内細菌によって体内で合成されるため不足することはまれですが、肝臓病で胆汁分泌がよくない人は吸収が減り、抗生物質を長期間服用している人や新生児では腸内細菌が少なく不足することがあります。不足すると血液の凝固が悪くなり、皮下出血、鼻血、月経過多などの出血症状がでます。骨粗しょう症や動脈硬化にもなりやすくなります。
多く含む食品
1日のビタミンKの摂取目安量は成人男女でともに150㎍です。K1はわかめ、のりなどの海藻類、ほうれん草、小松菜、春菊などの緑黄色野菜類などの植物性食品、K2のメナキノン-4は鶏肉などの肉類、チーズなどの乳類などの動物性食品、7は豆類の発酵食品の納豆に多く含まれます。抗凝固剤のワルファリンを服用している人は、薬効が弱まらないに、特に納豆に注意が必要です。
薬剤とサプリメント
ビタミンK1製剤の経口薬(商品名:ケーワン錠5mgなど)が 肝障害に伴う低プロトロンビン血症やビタミンK欠乏性出血など、ビタミンK2製剤の経口薬(商品名:ケイツーカプセル5mg)と注射薬(商品名:ケイツーN静注10mg)が新生児低プロトロンビン血症や分娩時出血など、経口薬(商品名:グラケーカプセル15mgなど)が骨粗しょう症における骨量・疼痛の改善に用いられています。サプリメントは骨粗しょう症を予防したい人や妊婦に勧められます。