肝炎ウイルスキャリアは、自覚症状がないまま、肝硬変や肝がんへ進展することが多いので、速やかに医療につなげることが重要で、各都道府県では肝臓病の診療ネットワークを構築しています。

肝疾患診療連携拠点病院

肝臓病の診療の向上および均てん化を図るため、2007年に厚生労働省から「肝疾患診療体制の整備について」が発出され、肝疾患診療連携拠点病院が各都道府県に設置され、現在47都道府県に71拠点病院があります。拠点病院は、肝臓病に関する医療情報の提供、医療従事者・患者や地域住民を対象とした研修会・講演会の開催や相談支援、専門医療機関と連携を図る協議の場の設定などを行い、都道府県の診療ネットワークの中心的役割を担っています。

肝疾患専門医療機関

専門医療機関は、日本肝臓学会肝臓専門医が所属する医療機関(病院・診療所)などで、肝臓病患者さんの診断や治療方針の決定など専門的な診療を行い、抗ウイルス療法が必要な患者さんに対して医療費助成の診断書を発行し、肝疾患診療連携拠点病院やかかりつけ医療機関と連携するなど地域の診療ネットワークで重要な役割を担っています。府県によっては肝疾患専門とかかりつけ医療機関の間に、肝疾患協力や肝疾患指定医療機関を設けています。

かかりつけ医療機関

かかりつけの医療機関(診療所)では、「2)肝炎ウイルス検診とは?」で述べましたが、B型およびC型肝炎ウイルスについて日常診療や検診で検査を行い、陽性の人を地域の肝疾患専門医療機関に紹介し、以後連携を取りながら診療を進めていきます。また、重症肝炎、肝硬変、肝がんの疑いのある人も肝疾患専門医療機関に診療を依頼します。

肝疾患コーディネーター

肝炎患者さんや肝炎ウイルス検査陽性の人などが適切な治療や支援を受けられるようにサポートするコーディネーターが、医療機関の職員、自治体職員など幅広い職種を対象に各都道府県で養成されています。