肝臓から発症する原発性肝がんの大部分を占める肝細胞がんを一般的に肝がんと呼んでいますが、肝がんの多くは肝硬変から発症し、B型肝炎は原因の一つです。

肝がんの原因

「12)肝がんとは?」で述べましたが、主な原因は、B型肝炎ウイルス(HBV)あるいはC型肝炎ウイルスの持続感染ですが、後に「非アルコール性脂肪性肝炎とは?」で述べますが、最近では非アルコール性脂肪性肝炎(代謝機能障害関連脂肪肝炎と改名)という脂肪肝が原因となる肝がんの割合が増えています。

B型肝炎の肝がん

HBVキャリアで、肝硬変あるいは肝硬変に近い慢性肝炎で発症しやすくなります。但し、HBV キャリア の場合には、肝炎を起こしていないキャリアや進行していない慢性肝炎のキャリアから肝がんが発症することもあるので注意が必要です。45歳以上の男性で、高齢になるほど肝がん発症の危険率が高くなります。また、HBe抗原が陽性で、HBV-DNAの量が多いと危険率が高くなります。

B型肝炎の肝がんの発症予防

「9)抗ウイルス療法の対象となるB型肝炎は?」で述べましたが、危険率が高い人は、発症予防のため、核酸アナログ製剤という経口薬での治療の検討が必要になります。ALTが高値で、HBV-DNA量が多い慢性肝炎は、治療の対象となります。すでに肝硬変に進展している人は、ALTが正常値でもHBV-DNA量が少なくても対象となります。

肝がんの早期発見

「12)肝がんとは?」 で述べましたが、 肝がんは早期に発見し、治療しないと、致命的となるので、HBVキャリアの人は、危険率により頻度は異なりますが、定期的に肝腫瘍マーカーなどの血液検査と腹部超音波などの画像診断検査を受けていく必要があります。