肝臓病の診断のために血液検査と併せて行われる超音波 、CT、MRIなどの検査を画像診断検査と呼んでいます。
腹部超音波(エコー)検査
腹部の体表にプローブという超音波を発する器具を当て、肝臓に反射して返ってくる超音波をとらえて肝臓の状態を画像としてみる検査です。手軽で患者さんの負担が少なく、放射線(X線)を用いないので被ばくの心配がなく、最初に行われる画像検査 です。慢性肝炎と肝硬変の鑑別、脂肪蓄積の状態、腹水の有無、肝がんの有無などを確認するために行われます。
腹部CT検査
X線を照射する装置が腹部の周りを回転して、得られたX線の吸収値を検出器で読み取り、 コンピュータを用いて肝臓の輪切りの画像を得る検査です。 超音波検査で疑われた所見の確認を行います。撮影時間も短い上、0.5ミリメートルの間隔で画像を作成できるため、ごく小さい病変も描出可能です。造影剤を使用することにより、腫瘍の良性悪性の鑑別ができます。
腹部MRI検査
MRI装置に入り電磁波を当て、体内の水素が反応して出る信号を捕え、コンピュータを用いて肝臓の輪切りの画像を得る検査です。X線の被ばくがない利点がありますが、検査に20~30分の時間がかかります。通常はCT検査で診断が難しい場合などに行われます。強い磁気を用いるため、体内に金属を埋め込んでいる人は検査できない場合があります。
エラストグラフィ
肝硬変への進展が疑われる時など肝臓の線維化の程度を知るため、肝臓の組織を一部採取する肝生検は身体に侵襲が大きいので、超音波あるいはMRIを用いたエラストグラフィにより肝臓の硬さが調べられるようになってきています。