原因を排除する免疫の反応により肝臓に炎症が生じ、集まったリンパ球が肝細胞を攻撃し、肝機能に障害をおこす病気を肝炎と言い、肝炎ウイルスが原因となる肝炎をウイルス肝炎と呼んでいます。

肝炎の原因

肝炎の原因としてアルコール、薬物、免疫の異常などもあげられますが、ウイルスが重要な原因となります。原因となるウイルスは数多くありますが、主なものは肝炎ウイルスで、肝炎ウイルスが原因となる肝炎を通常ウイルス肝炎と呼んでいます。

原因となる肝炎ウイルス

肝炎ウイルスとしてA~E型肝炎ウイルスの5つがわかっています。A、E型肝炎ウイルスは飲食などで経口的に感染し、B、C、D型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染します。ウイルス肝炎の原因となる主なものはA、B、C型肝炎ウイルスの3つです。

急性肝炎と慢性肝炎

肝炎には一過性の炎症で治る急性肝炎と長期(6か月以上)炎症が続く慢性肝炎があります。A、B、C型肝炎ウイルスは3つとも急性肝炎の原因となりますが、A、B型は時に重症化し、致命的な劇症肝炎となることがあります。B、C型肝炎ウイルスはウイルスを体内に持ち続けるキャリアとなると、慢性肝炎を発症し、放置すると肝硬変、肝細胞がん(肝がん)に進展することがあります。

診断

肝炎ウイルスの感染確認は、A~E型の肝炎ウイルスマーカーを血液検査で行い、知ることができます。また、肝炎の状態は、AST、ALT、γ-GTP、アルブミン、総ビリルビンなど肝機能の血液検査と腹部超音波などの画像診断検査を行い、知ることができます。